宮崎市民プラザ

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演劇公演「波の上の青い島」を終えて

2014年8月16日

1週間前の土曜日、宮崎市には台風11号が接近していました。

昨年8月のオーディションから、一年がかりでようやく公開を迎える演劇公演「波の上の青い島」にとって、とても大きな出来事でした。

9日公演を開催して予定通り行うべきか、9日公演を延期して10日2回公演にするべきか、台風の進路図を睨みながらの協議は、前日の夕方発表時間の直前まで行われました。

 

「9日公演は予定通り行い、台風で9日来場できないお客様のために、10日公演に夜公演を追加して2回公演にする。この演劇を一人でも多くの人に観ていただきたい。」

脚本・演出を行う中島淳彦さんの一言で、10日の追加公演が決定しました。もちろん、この「3回目の公演」のチケットは販売していませんし、告知期間も十分ではありません。

「例え観客が一人であっても、この演劇を一人でも多くの人に届けたい。」

そこには、中島さんはもちろん、出演者、スタッフ、それぞれの強い想いがありました。

 

92年前に亡くなった鈴木サトさんを見たことがある人は、ほとんどいないでしょう。

しかし、舞台上には、「青い島」で右に左に所狭しと他人のために駆け回り、ういろうをこしらえるサトさんが、確かに存在していました。

実在するのかしないのか、定かでない沢山の登場人物たちもまた、「青い島」にしっかりと生きていました。

必死に怒り、笑い、泣く―――― 一人ひとりが、様々な想いに迷いながらも、前を見つめて、歩みだしていこうとする ――― その生き様に、ある人は「いのち」そのものを感じ、ある人は郷土への想いをのせ、ある人は共感の涙を流していました。

台風の余波の残る中での9日夜公演、満員御礼の10日昼公演、来場者がいるのか不安だったものの初日と変わらぬ入場者のあった10日夜公演、3回の公演すべてで、客席に笑顔と涙がありました。

ao

演劇の歴史は古く、人間の営みのあるところならどこでも生まれると言われています。

インターネットの発展やSNSと言われる様々なメディアが、その高い効率性から目覚ましい発展を見せている現在、演劇は少々効率の悪いメディアになっているのかもしれません。

しかし、人間同士の生身のコミュニケーションを意識できる演劇は、今を生きる私たちにとって、忘れがちな人間としての「本来の営み」を再認識させる、大きな役割を持っているのだということを「波の上の青い島」を通して、実感いたしました。

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